オーナー家の自主運営を確保しながら、直接債権放棄を要請する計画策定支援
事業再生アドバイザリープロジェクト概要
- 安価な輸出品の拡大や主力商品の販売権の喪失により、売上高がピーク時100億円超から、直近期では35億円まで減少。
- 過去の事業拡大・海外展開・本業外への投資により、借入金は90億円と、収益に比して過大な水準となっていた。
- 近年、収益は安定するも、キャッシュ・フローの大半が借入金の利息・返済に充当され、事業継続・成長に必要な投資資金の確保も困難な状態となっていた。
- さらに、金融機関に約した返済を履行するため、人件費の削減を進めた結果、退職者が続出し、競争力の源泉となる商品企画に必要な人材確保も困難な状況となった。
- このような状況下、クライアントの長期的な事業継続確保を目指し、金融機関へ債権放棄を要請するための再生計画の立案を行うこととなった。
クライアント概要
業種 | 医療器具の企画・卸売 |
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売上高 | 35億円 |
地域 | 北陸・中国 |
クライアントが直面していた経営上の問題
- 過去の事業拡大・投資失敗に伴う過大な借入金の債権放棄を要請した場合、メガバンク、その他大手銀行、地方銀行、信用金庫、サービサーなど主張が異なる10行以上の金融機関の意見調整が必要となっていたこと。
- キャッシュ・フローの大半が、借入金の利息・返済に充当され、事業継続・成長に必要な人的投資が困難となっていたこと。
- オーナー家の経営者の手腕に一定の評価があったものの、債権放棄を要請した場合、経営者責任の観点から、金融機関より当該経営者の続投が認められない可能性が高かったこと。
課題解決に向けた取り組み
- 手続きの透明性・公平性が高い事業再生ADRを利用し、債権放棄へ向けた立場の異なる金融機関の意見を調整。
- クライアントの自助努力による費用削減策を引き出し、人件費が増加する計画となることに対する、金融機関の納得感を醸成。
- 可能な限りの私財提供に加え、過去の経営者の業績への貢献を数値で客観的に説明し、実績面から経営者続投の合理性を金融機関に説明。
プロジェクトゴール
- 借入金90億円のうち60億円の直接債権放棄を実現。
- 債権放棄に伴う利息負担の軽減に加え、販売費の見直しにより、定期昇給や商品企画人材の採用など事業の継続・発展に必要な人員を確保できるだけの人件費予算を確保。
- オーナー家の経営者の続投を実現。