特定調停手続を用いてスポンサーへの事業譲渡を完了させた事例
事業再生アドバイザリープロジェクト概要
- 原料価格の高騰を受けて、小売に対する値上げを強行したことで、大手顧客が離反して売上高が減少し、赤字転落。その時点でLBPが関与し、損益改善計画を策定し実行。
- 損益改善の途上、退職者が相次いで発生。採用競争が厳しい地域であったこともあり、人手不足に陥り、工場の稼働に支障をきたしたことで、売上高が急減。
- 資金繰りが厳しくなったことから、オーナー社長は自力再生を断念。スポンサーへの事業譲渡を行う、いわゆる第二会社方式による事業継続および、債権放棄を企図。
- スポンサーを招聘し、その傘下での事業継続を行うべく、スポンサー探索を行うこととなった。
クライアント概要
業種 | 食品製造 |
---|---|
売上高 | 10億円 |
地域 | 九州 |
クライアントが直面していた経営上の問題
- 1.売上高が急減したことで、資金繰りに窮する状況であるため、限られた時間の中でのスポンサー探索、選定および、金融機関の同意を得る必要性。
- 2.事業立て直しに向けて、値上げによって剥落した売上高を埋める新規顧客の獲得、業績低迷が続いたことで行えていない設備投資の再開および、人材採用・人材育成が可能なスポンサーを探索し、選定する必要性。
- 3.中小企業再生支援協議会スキームによるスポンサー選定を進めるも、案件固有の事情のため中小企業再生支援協議会スキームによる実行が困難であることが判明。
課題解決に向けた取り組み
- 1-2.複数社からの入札および、早期のスポンサー選定を満たせる候補先リストを作成し、アプローチ。
- 1-2.案件成立に必要な論点・数値を事前に関係者と協議することで、候補先との迅速な交渉を実行。
- 1-2.候補先からの質問や買収監査への対応を速やかに実行。
- 1-2.上記により短い検討期間にも拘らず、最大手をはじめ、複数社からの意向表明を受けるに至る。
- 3.案件固有の事情を勘案して、代理人弁護士と協働して地裁における特定調停手続によるスポンサーへの事業譲渡を行うスキームに切り替え。
- 3.当該地裁における初めての特定調停手続による第二会社方式の債権放棄の要請であったことから、代理人弁護士とともに、各金融機関に対して手続・再生計画について説明し、手続の納得感を醸成。
プロジェクトゴール
- 1-2.複数社からの条件を勘案して、最も有利な条件である候補先を関係者との協議の上、スポンサーとして選定。
- 1-2.選定されたスポンサーは条件が最も高く、さらにこれまでも同業他社の立て直し実績が複数あったことから、事業継続・立て直しの蓋然性の高いスポンサー招聘となった。
- 3. 特定調停手続において全金融機関からの同意を得て、スポンサーへの事業譲渡を実行。