不採算事業からの完全撤退と偶発債務リスクを遮断する計画を策定し、早期経営改善を支援した事例
事業再生アドバイザリープロジェクト概要
- 大手企業を中心に安定した顧客基盤を有して事業展開していたものの、国内市場の縮小を見越して海外における新規事業展開を模索。
- しかしながら海外における新規事業が事業化に至らず、資金流出が続き、本業を圧迫。本業においても、近時のドライバー・トラック不足による庸車の値上がり等によって業績が低迷。
- 新規事業の完全撤退による資金流出ストップ・偶発債務リスクの遮断、本業の損益改善施策の実行および、ガバナンス体制の刷新を織り込んだ事業再生計画を策定。
クライアント概要
業種 | 運送・倉庫業 |
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売上高 | 25億円 |
地域 | 東海地方 |
クライアントが直面していた経営上の問題
- 1.事業化への未練、偶発債務発生リスクを恐れて海外新規事業からの完全撤退を躊躇。
- 2.長距離輸送中心から短距離輸送・倉庫事業が中心となる事業構造に変化していたものの、計数管理面に課題があるため、環境変化に対応できない体制。
- 3.庸車コスト・人件費の上昇および、主要顧客との不利な価格体系があったものの、計数管理が不十分であるため、現状の正確な損益が把握できない状況。
- 4.事業化に至らない海外事業への資金流出に歯止めをかけられないガバナンス体制。
課題解決に向けた取り組み
- 1.海外事業に対するこれまでの資金投入額および、現状と今後の事業計画を精査し事業化が困難であることを確認。また、顧問弁護士と協働して偶発債務発生リスクおよび、その最大額を試算。
- 2-3.現状の事業別・顧客別の採算性を精査し、値上によって損益が改善している状況および、現状の事業構造の下での損益改善余地を確認。
- 2-3.業績好調な主要顧客との取引条件の改善、その顧客への経営リソースの集中、不採算取引からの撤退および、固定費削減による損益改善施策を立案。
- 3.社長ワンマンによる意思決定から、役員・外部専門家を含めたガバナンス体制を立案。
プロジェクトゴール
- 1. 海外事業からの完全撤退を実行。偶発債務についても、想定しうる最大額を金融機関の同意の上、計画における収益実績弁済の原資とは別立てにすることで、偶発債務発生による本業への影響を遮断。
- 2-3.業績好調な主要顧客との取引が拡大し、短距離・倉庫業へ経営リソースを集中したことで業績が早期に改善。
- 2-3.早期の業績改善に伴いクライアントが、主体的にさらなる損益改善のための新たな改善施策を立案し、実行する状況となる。
- 3. 役員・外部顧問・LBPが参加する会議体において業況・経営課題の共有および、経営の意思決定を行う体制に移行。