旅客運送事業者の後継者難・過剰債務解消のために事業譲渡を支援した事例
事業再生アドバイザリープロジェクト概要
- ドライバーの高齢による退職により、売上高が逓減。状況を打破するために関連事業の営業を増員させたが、十分な成果を上げることが出来ず、結果として固定費増加により収益力が低下。
- これまで安定した不動産賃貸収益に支えられていたが、赤字へ転落。更には、多額の借入による本社及び駐車場の新設を行っており、資金繰りに窮し、LBPが関与することになった。
- 高齢のオーナー社長から子息への事業承継のタイミングでもあり、本業の改善可能性の見極めがプロジェクトの肝であった。
クライアント概要
業種 | 運輸業 |
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売上高 | 10億円 |
地域 | 中国地方 |
クライアントが直面していた経営上の問題
- 不動産事業の収益力に依存してきたため、危機意識が乏しく、本業の改善に向けての取り組みが不十分であったこと。ドライバーのみならず管理職の高齢化も進んでおり、モチベーションが低く、次期若手経営者を支える人材が不在であったこと。
- ドライバーが高齢化していく中、業界全体で人手不足であり、新規採用が進まず、今後も減少が見込まれること。
- 収益力に対して借入金が過大であり、事業上のキャッシュ・フローからの弁済では長期化が見込まれたこと。
課題解決に向けた取り組み
- 資金繰り安定化のため、無担保不動産の売却や役員保険の解約を即座に実行。
- 今後10年でのドライバーの定年にもとづく損益シミュレーションを実施。ドライバー半減による大幅な減収が想定され、増収施策や固定費削減といった自助努力では黒字化困難な見立て。
- 継続的に収益をあげるためにはドライバーの確保が最重要課題であったが、採用ノウハウが無く、自力での事業再生を断念。資金繰りに余裕がある間にスポンサーへの事業譲渡へと舵を切った。事業譲渡対価によって借入金を圧縮し、残る不動産賃貸業による借入金弁済を企図。
- LBPがFAとして同業者のみならず、運輸業全般から幅広にスポンサー候補を探索。
- 複数の候補先が現れたことからスポンサー選定を2段階に分けて実施。スポンサー候補の早期絞り込みを行い、クライアントと最終候補社との直接の対話の時間を多く確保。
プロジェクトゴール
- 取引金融機関に対し、各スポンサー候補の譲渡対価や従業員の処遇、既存の商標の取り扱い、再生へ向けたプラン等を説明。
- 譲渡対価のみならず、他の条件面等でもクライアントが希望したスポンサー候補先への事業譲渡に関して金融機関からの同意を獲得。
- 事業譲渡対価による借入金の圧縮に加え、その後、賃貸不動産売却により借入金を完済。次期経営者による借入金の連帯保証の問題も解消。